つれづれ歴史

2006年05月08日

『予告されていたペリー来航と幕末情報戦争』岩下哲典

『予告されていたペリー来航と幕末情報戦争』岩下哲典(洋泉社 新書y) リンク先はamazon.co.jp

 今日書店で見つけて買った本です。まだ5分の1ほども読んでいませんので、軽いご紹介のみ。

 腰帯の惹句。「ペリー艦隊の『来航予告情報』は、一年前にオランダから幕府へ届き噂になっていた。『情報史』の視点から幕末・開国史を書き換える試み! 情報を秘匿する幕府、一部情報をリークされていた雄藩大名、蚊帳の外の浦賀奉行所、幕府の海防政策を非難する吉田松陰――彼らは真実を知ろうと奔走する!」

 ……まぁ、『風雲児たち 幕末編』を読んでいれば驚くような内容ではないのですが(苦笑)。

 でも、教科書にも出ている有名な狂歌「太平の眠りをさますじょうきせん たった四はいで夜も寝られず」が明治に入ってからの偽作だったかも知れない、というツカミはなかなか刺激的。新書なんでとりあえず一気に読もうと思っている。

at 23:11|Permalink

2005年09月10日

一緒に飲んでみたい歴史上の人物

 同じく、野間みつねさんからメールにて提供いただいたネタ。

「龍馬」が1位に=飲んでみたい歴史上人物-アサヒビール調査
 「アサヒビールが9日発表したインターネット調査によると、『一度でいいから飲んでみたい歴史上の人物』の1位に幕末の志士、坂本龍馬が選ばれた」。

 アサヒビールのニュースリリースより。
アサヒビール㈱ お客様生活文化研究所
お客様意識調査・毎週アンケート100回記念
『一度で良いから、お酒を飲み交わしたい歴史上の人物は?』調査を実施

 男女総合順位で、幕末維新の時期の人物では、龍馬の他に西郷どんがトップ10にランクイン。

 アサヒビールお客様生活文化研究所の当該ページ。
毎週アンケート
100回記念
一度でいいから、お酒を飲み交わしたい歴史上の人物は?


 うーん、幕府方の人物がランキングされないのは残念です。箱館の旧幕府脱走軍の幹部の皆様方の宴会に加わってみたいと思う白牡丹は、きっとまったくの少数派ですなぁ……(大苦笑)。

at 16:02|Permalink

2005年08月28日

高田屋嘉兵衛に関する吉岡忍のコラム

 ビジネス誌『PRESIDENT』1999年6月号に掲載された、吉岡忍の高田屋嘉兵衛に関するエッセイをネット上で発見。

『菜の花の沖』 函館に嘉兵衛の開拓魂を求めて

 函館の街や嘉兵衛に関する記述も面白いが、目を引いたのは以下の部分。
司馬はこう言っている。
《本当の日本は江戸時代の文明、江戸文明にあったのではないか。江戸中期以後のリアリズムを中心とする、技術とものを見続けて思想をつくりあげた代表者たちとわれわれは結びつく》
「技術好き、職人好きの民族」こそ、われわれ日本人の本質なのだ、と。

 そのあとで、さらにこうも言う。
《とにかく明治政府というものは江戸期を否定し、そして明治以後の知識人は、軍人を含めて、江戸的な合理主義を持たなかった。それはやはり、何か昭和の大陥没とつながるのではないでしょうか》

 さりげなく語られた一節を見て、司馬ファンなら、ちょっと待てよ、という気にならないだろうか。  このとき彼はもう幕末から明治という近代日本を舞台にした作品の数々を書き終えている。『竜馬がゆく』や『坂の上の雲』などの成功は、彼を明治という時代のオーソリティーにしていたはずだった。その司馬遼太郎が、じつは明治を全体としては非合理で、ついには昭和前期の侵略と敗戦を準備した時代だった、と突き放している。

 司馬はこの時期、みずからの歴史観を変えようとしていたのではなかったか、と私は邪推する。少なくとも、迷っていたにちがいない、と思う。作家の足もとを揺るがすのはつねに彼(彼女)自身の作品であるとすれば、司馬を揺さぶったのは一連の明治モノのあとに書かれた『菜の花の沖』ではなかったか。先の発言は、『菜の花の沖』全6巻を書き終えて数年後になされたものである。
 明治という時代をどう位置づけるか、という点について考えさせられる指摘だと思う。

at 10:03|Permalink

2005年08月24日

NHK『その時歴史が動いた』高田屋嘉兵衛

 山本耕史さんが出演した『ほん怖』見てません……テレビナビ買って、山本耕史さんと桂吉弥さんの対談を楽しみました……が、今日は『その歴』高田屋嘉兵衛の回についての感想をまず書きたいと思いました。

NHK『その時歴史が動いた』番組内容紹介

 この時間枠と「その時」にスポットを当てる番組のつくり方から、ゴローニン事件を巡る日露関係の緊迫と商人・高田屋嘉兵衛の交渉仲介に焦点を当てるのは、まぁ、予想の範囲内です。蝦夷に新たな海運ルートを開いたとか、蝦夷の商売の中心地だった松前では既存の商人たちの壁が厚かったために箱館に港を開いて新たな商売の基地を築いたとか、箱館大火の折には私財を投げ打って被災民の救済と火事に強い町づくりに尽くしたとか、省略されても仕方ないですね……しくしく。

 でも、日露関係の美談だけで終わっちゃったことは、すごく残念でした。高田屋嘉兵衛は自分のやるべきこと以上にやりとげて故郷の淡路島に引退し、病没しました……が、子孫が継いだ高田屋を、幕府はロシアと密貿易があったという疑いで取りつぶしてしまったこと。それは、外して欲しくなかったなぁ。

 そして、高田屋嘉兵衛の上昇志向と平等精神を明治維新の魁と位置づけた解説、あれはどうなんでしょうか……明治維新を推進した薩長土などの新政府の側に、高田屋嘉兵衛を意識した人物がいたのかなぁ? 何か、違うような気がするんですが。

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 番組視聴後、『ワイド版 風雲児たち』みなもと太郎の第12巻をすぐさま取り出してきて、たった一章しか描かれていないものの、とても印象的な高田屋嘉兵衛の場面を反芻しました。

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 でも、番組中で、嘉兵衛が日露関係の交渉に尽くしたことに対して、幕府からたった五両しかもらわなかったことを指摘したのは、よかったと思います……一民間人が外交関係に果たした貢献を、きちんと評価できる人物が当時の幕府にいなかったのですねぇ。

at 22:05|Permalink

2005年08月22日

忠臣蔵検定試験なんてあるんだ、へえ~っ

 ネットで幕末関係のニュースを漁っていた時に偶然見つけた記事。幕末関係ではないんですが。

<忠臣蔵>あなたの「通」ぶりは? 検定試験で認定します
 「真の忠臣蔵通」を認定する「忠臣蔵通検定試験」を、財団法人中央義士会(東京都台東区)が始める。1702(元禄15)年の赤穂四十七士討ち入りから300年を越えたが、「日本の精神的文化の財産である忠臣蔵を、改めて一般の人に知ってもらう」のが狙い。第1回の検定試験は12月18日、地元・兵庫県赤穂市や東京など国内約10カ所で実施する。
 ……忠臣蔵検定試験なんてあるんだ、へえ~っ。
第一回忠臣蔵通検定試験要項
忠臣蔵会館 公認「忠臣蔵博士」称号試験 実施要項 
 「中央義士会」って財団法人もあるんだ、二度へえ~っ^_^;。

 で、テキストを読んで、そこから出題するという方式に思ったわけですが。

 「新選組通検定試験」つーのは、つくるのが難しかろうと。史実として確定していない部分、異説のある部分が結構多いから。○○先生のテキストを出題範囲とする、なんて、簡単に決まりそうにない。

 ……検定試験があったとしても、記憶力の悪い白牡丹には試験をパスできそうにないのですが(爆)。

at 20:24|Permalink